仕事柄ということもありますが、最近は「ビッグデータ」の文字を見ない日が無いくらいホットなトピックになっていますね。多くの企業が膨大な量のデータを持っている、あるはそれにアクセスできるようになったことでかつては考えられなかったような知見を得る可能性が広がったことは間違いありません。しかし、ビジネスにとってデータがビッグであるかどうかはそれほど重要なことなのでしょうか。International Institute for AnalyticsのBill Franks氏がWhat's The Definition of Big Data? Who Cares?という記事で「ビッグデータの定義なんて誰が気にするの?」という視点で論じています。
前回投稿した「3670億本の木を倒してもビッグデータは収まらない」の内容と真逆のようですが、意外とそういうわけではありません。
そもそもBIの意義というのは、データを活用することでよりよいビジネス判断や意思決定をすることですよね。そのデータが大きかろうと小さかろうと、複雑であろうと単純であろうと、ビジネスにとって価値の無いものであれば必要ありません。要するに、データがビッグであるかどうかが重要なのではなく、データそのもの、そしてそのデータから得られる知見に価値があるかが重要なのです。データが提供する価値の大きさに応じて、そのデータを集めて分析するか否か判断するべきなのです。
ただし技術的な実装においては、データの量は大きなインパクトをもたらします。データの集め方や分析手法、それを実施するためのソフトウェアやインフラなど様々な要素に影響しますので、ビッグデータ特有の手法や技術を把握して活用できるようになっておくことは必要です。
ポイントは、データがビッグであるかどうかは決して最初に議論されるべきではないということです。あくまでもBIのそもそもの意義である「データから得られる価値」が最初に議論されるべきであって、価値があると判断された後にそのデータの特性や性質、そしてそのデータから価値を引き出すための手法や技術が議論されるべきなのです。
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考えてみれば当たり前のことを言っている記事ですが、こういう視点でものごとを考えるように心がけることは大事なことですよね。ビジネス側としては、データがビッグなのかどうか、それが技術的に難しいかどうかは考えずにビジネス的な価値があれば素直に「欲しい」と言い、情報システム側から「難しい。これだけの時間とお金がかかる。」と言われたならば、データの潜在的な価値とデータから価値を引き出すためのコストを照らしあわせてROI判断をするべきではないでしょうか。「3670億本の木を倒してもビッグデータは収まらない」の最後にビッグデータの取り掛かるための5ステップを紹介しましたが、ステップ1「データ資産の棚卸を行う」とステップ2「価値を提供できそうな機会を特定する」をやる上では、やはりそのデータがビッグかどうかというのはどうでも良いことですよね。
データドリブンビジネスって?
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