「伝える」ことと同様に重要なのは「理解する」ことです。理解を促進するためには2つの重要なポイントがあります。
1つはデータをわかりやすく伝えること。解読不能な数字の羅列ではなく、データから導き出されるビジネス視点化から見た重要ポイントが示されていることが重要です。このためには、最適なグラフやテーブルを用いることや、使いやすいユーザーインターフェースを提供することが重要です。
もう1つのポイントは、データを活用する側のリテラシーです。マッキンゼーの調査によると、現在生成されているデータを活用するためには、データに精通した経営者・管理職者がアメリカだけでも約150万人も不足しているという結果が出ています。ただし、ハーバード大学のXiao-Li Meng教授の言葉を借りると、「ワイン通になるためにワイン生産者になる必要は無い」ということがポイントです。データを活用した意思決定をするためにはデータアナリストやデータサイエンティストと同等のスキルを持つ必要はありません。自ら定量分析を行うことはしないまでも、どのような分析手法が存在し、どのような適用が有効であるか、そしてその結果の数字にどのようなビジネス上の意義があるかを理解したうえで適切に伝える力が重要なのです。
Intuit社のGeorge Roumeliotis氏は、データの分析結果を伝える際に次の6つのポイントを必ず含めるようにしているそうです:
- ビジネス課題の説明
- ビジネスインパクトの測定方法
- どのようなデータを分析に利用しかの説明
- 当初の解決策の仮説
- 分析によって導き出された解決策
- 解決策のビジネスインパクト
注目すべき点は、分析に利用した統計的手法や計算式の詳細がこのリストに含まれていないということです。ほとんどの経営者や管理職者はこのようなディテールには興味はなく、あくまでもそこから導き出された結果とそのインパクトに興味があるのです。
データはデータとして正確に、タイムリーに、わかりやすく表現するとともに、このような定性的な情報を付加して提供することでデータドリブンな意思決定が可能になるのです。
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出典:"Data is Worthless if You Don't Communicate It" -- Tom Davenport, HBR Blog Network http://blogs.hbr.org/cs/2013/06/data_is_worthless_if_you_dont.html
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