2013年7月4日木曜日

IT技術者の新天地はマーケティング部門?

今アメリカではIT技術者の失業率が4%と非常に低く(2013年5月の全体失業率は7.6%)、優秀な人材を確保するための競争が激しくなっているようです。また意外なことに競争を激化させているのは、IT部門ではなくマーケティング部門からの求職なのです。

IT技術職を専門に扱う人材スカウト会社、Mondo社 CEOのMichael Kirven氏によると、マーケティング部門内にIT技術者のチームを配置する傾向が強まっていることから採用に拍車がかかり、給与水準が高騰しています。また、マーケティング部門が占めるMondo社の売り上げの割合も3年前の5%から現在は30%にまで拡大しているそうです。

マーケティング部門が部門内にIT技術者チームを設置している背景には2つの理由があります。


  1. IT部門が従来からの業務に追われ、マーケティング部門の依頼にタイムリーに応えることができない部門内にIT技術者チームを置くことでマーケティング部門が新たな取り組みを行うために必要なツールを迅速に導入できるのです。
  2. マーケティング部門が必要とするITスキルはIT部門が必要とするITスキルと異なるマーケティングで利用されている新しいテクノロジーの多くはクラウドベースのものであり、それに適したスキルが求められています。マーケティング部門は、ソフトウェア開発を行うことが目的ではないので、プログラマーではなくビジネススキルとITスキルを併せ持った人材を必要としており、最も需要の高い職種は:
    • ビジネスアナリスト
    • ユーザーインターフェースエキスパート
    • データ分析エキスパート
    • プロジェクトマネージャー

国内でもビッグデータのブームによって「データサイエンティスト」という職種が脚光を浴びています。日経情報ストラテジーでは、データサイエンティストを次のように定義しています:
[データサイエンティストは、]データの分析手法に詳しく、ツールの操作に長け、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に代表されるビッグデータからビジネスに生きる真の情報を引き出せる目利きです。大量に集まる顧客の声からすぐに対策を打つべきものや商品開発につながるアイデアの種を見つけたり、数字の変化から消費動向の変化を読み取ったりします。
この定義の中に注目すべきキーワードがいくつかあります:

  • SNS
  • ビジネスに生きる真の情報
  • 顧客の声
  • 商品開発につながるアイデアの種
  • 消費動向の変化を読み取[る]

これらのキーワードが従来IT部門が必要とするスキルとは異なっており、このタイプの「IT技術者」はマーケティング部門などの事業部門、あるいは経営企画部門に所属することが妥当なのかもしれませんね。

皆様の会社ではいかがでしょうか。マーケティング部門に限らず、IT部門以外の部門内にIT技術者チームを配置しているケースがあれば、是非コメントで共有してください。

出典:
"Tech Talent Wars Spill Into Marketing" CIO.com
「これだけはマスター!情報戦略キーワード:データサイエンティストとは」ITpro

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