ビジネスにおけるデータも同じです。会社のすべての活動はデータに基づいて動いていますが、数値だけではあまり役に立つことはなく、特定の目的に対して的確に組み合わせてこそ意義があります。
Domo Inc.のクライアントサービスアーキテクトのBlaine Mossはブログ記事で料理になぞらえてデータを利用する上での4つの落とし穴について解説をしています。ただ、Blaineは当然アメリカ人なのでアメリカ人に馴染みのある食材を例にしていますので、ここでは日本人にとって馴染みのある食材に置き換えて解説してみようと思います。どのような置き換えをしたかは文末に書いておきますので、納得行かない置き換えやもっと良い置き換えが思いついた方は是非コメントに書いてくださいね。
1.食材と同じく、データは単体では役に立たない
Photo by Port of San Diego |
単体のデータソースがあっても、それは山椒の瓶が一本あるようなものです。あらゆる料理において欠かせないものですが、単体で食べるとかなりまずいですよね。
ビジネスにおいても単体のデータはあまり役に立たないので、様々なデータソースからあらゆる数値やKPIが用いられています。ただし、ほとんどのデータは個別の部門内に閉じて保有されていることが多く、それはまるで調味料をそれぞれの入れ物に入れたままで料理の味付けに使っていないようなものです。
例として、売上が前月比12%、前々月比較22%向上しているとしましょう。これは言うまでも無く良い結果ですね。それでは何が原因で向上したのでしょうか。コールセンターにかかって来た電話は10%向上、ウェブサイトの訪問は25%向上、店舗への来客は14%向上していました。何が原因で売上が上がったのかはこれではわかりません。これらのデータ、及びその前後・周辺で起きたことのデータを全部単一のプラットフォームで把握することができなければ原因を推測することしか出来ません。
2.良いデータ(食材)が必ずしも良い結果につながるとは限らない
Photo by Founding Farmers / The Farm |
データを利用するときは、そのデータにまつわる状況や解釈が重要です。いくら精度の高いデータ、あるいは外部から購入した高額なデータを用いたとしても、そのデータが間違っていたり、利害関係の不一致によって変更されていたりすれば役に立たないどころか、返って間違った判断につながってしまう危険性があります。
最高級A5ランクのしゃぶしゃぶ肉を最高級のゴディバのチョコレートソースにつけて食べてしまえば、きっと良い料理とはいえませんよね。
Photo by Visit Cape May |
データの収集と分析に多くの費用、労力、そして時間を費やしていても、それが適切なタイミングで活用できなければかなりの無駄遣いになってしまいます。どんなに美味しいアイスクリームでも溶けてしまえば食べられたものではありませんし、冬には欠かせない鍋料理も真夏に出されたらたまったものではありません。適切なタイミングでデータを入手するためには、適切なタイミングでデータを組織内に流通させる仕組みが必要なのです。
4.レシピは重要
Photo by Tracy Hunter |
異なるデータソースから持ってきた数値を組み合わせて意義のある情報にしていく上で、正しい組み合わせ方をすることが重要です。異なる粒度や期間のデータを足し上げてしまえば、それは全く意味を持たない情報になってしまいます。
例えば、お好み焼きのキャベツの代わりにレタスを入れたらどんな味になるでしょうか。考えたくもないですね。見た目が似ているからといってそれは必ず同じものとは限らないので、組み合わせるそれぞれのデータの性質を見極めることが重要です。
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皆様はいかがでしょうか。このような落とし穴に落ちたことはありましたか。また、これ以外のパターンの落とし穴があれば是非コメントで共有してください。
<食材の置き換え>---------------------------------------
醤油:小麦
山椒:シナモン
お好み焼きのキャベツをレタスに置き換え:アップルパイのりんごをオレンジに置き換え(これ、まずくもなさそう...)
*その他の食材ストーリーは私のオリジナルでした。
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