2012年9月27日木曜日

ビジネスとITのBIに対する異なる視点

BIはビジネスインテリジェンスというくらいですから、ビジネスのために役立つことであることが大前提です。BIの定義はいろいろありますが、WikipediaのBIについてのエントリーでわかりやすいと思った定義があったのでここでシェアします。
"...concepts and methods to improve business decision making by using fact-based support systems." -- Howard Dresner  
直訳すると「 事実に基づく支援システムを使ってビジネスにおける意思決定を改善させるための考え方と手法」ということです。あくまでも主眼は「ビジネスにおける意思決定の改善」ですが、「事実に基く支援システム」がIT技術に大きく依存するためBIに対するIT部門の関わりは深く、ビジネス部門以上に強い意見をもっていたり、主張をしたりする場合もあります。


ビジネス部門とIT部門の考え方の違いはあれど、どちらが間違っているということはなく、双方のバランスをうまく取ることでBIを成功させることができるのです。考え方の違いを乗り越えるためには、まずお互いの主張や優先事項を理解することが最初のステップです。Domoは、いくつかの情報ソースからビジネス部門とIT部門のBIに対する考え方の違いについてインフォグラフィックにまとめているので、ここではその内容をかいつまんで紹介します。
インフォグラフィック:How Business and IT Professionals View Business Intelligence Differently



BIにおける優先事項

ビジネス IT
使いやすさ
エグゼクティブは細かな機能よりも直感的に使えるBIを必要としています。
セキュリティー
IT部門の一番の関心事はネットワークの安全性を保護することです。
スピード
ビジネスユーザーは待つことを嫌い、利用するすべてのソフトウェアにスピードを要求します。
データアクセスの管理と制限
権限を持っていないユーザーからの不正なアクセスを制限する必要があります。
情報のわかりやすさ
エグゼクティブは必要な情報がわかりやすく提示されることを要求します。
コンプライアンス
法律や倫理に反した方法でのデータ収集が行われていないことを担保する必要があります。
長く使える
新しいシステムの導入に伴うトレーニングはコストも時間もかかるため、一度導入したシステムはなるべく長く使えることが好ましい。
他システムとの統合が容易
既存システムのみならず、新規に導入したシステムのデータすぐに取り込むためには統合が容易である必要があります。


BIソフトウェアに期待すること

ビジネスIT
セルフサービスで使えることビジネスニーズに応えるために必要な柔軟性があること
レポートがわかりやすくて使いやすいこと既存のインフラとの統合は容易であること
役に立つデータを提供してくれることたくさんのベンダーと付き合わなくても使えること
モバイルで利用可能であること現状のセキュリティーモデルに組み込めること


現在のBIソリューションの成功についての意見

このセクションでは、ビジネス部門とIT部門に属する人たちに対して以下の3つの質問をした調査結果を紹介しています。
  1. 情報を見つけるのが難しい
  2. 提供されている情報量が適切である
  3. 現在のBIソリューションの成功度合いはどれらいか
ほとんどの場合においてビジネス部門とIT部門の回答に大きな差はありませんでしたが、1番の「情報を見つけるのが難しい」という項目に対しては、IT部門に属する人の24%が同意していたのに対して、ビジネス部門に属する人の半数以上の55%が同意していました。やはりビジネスユーザーはかなり高いレベルの「使いやすさ」や「わかりやすさ」を期待しているのに対して、BIソフトウェアは応えることがあまりできていないようです。

Josh JamesがDomoを創業した理由についてこちらの記事で解説しておりますが、従来型のBIの3つの根本的な問題の1つである「貧弱なユーザー体験」はビジネスユーザーの不満としてはっきり現れているようです。

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