2012年9月14日金曜日

把握するべき(そしておそらく把握していない)3つの重要指標

会社に対する顧客の意見は、その会社しか把握していないのがこれまでの常識でした。従業員や投資家の意見についても同じような状況でした。また、競合他社と比べて自社がどれくらいメディアで露出しているかについては、ほとんどの場合において誰も把握することができないものでした。そのため、こういった情報を把握していないことによって競合優位性が損なわれることはありませんでした。

この状況がここ数年で劇的に変わってしまったことは言うまでもありません。消費者や企業顧客はインターネットで簡単にお互いを見つけだして意見を交換することができ、公の場で企業を賞賛することも攻撃することも日常的に行われています。従業員も公の場で、それも匿名で自社について発信しています。また、このような会社に対する意見が語られている量と語られている場(すなわち媒体)の数は膨大です。

そのため、経営者は常に世の中の声に耳を傾け、すぐに対応しなければなりません。周到に準備されたプレスリリースや定型的な従業員アンケート、決算報告書や株主総会を軸としたコミュニケーションだけでは不十分です。ソーシャルネットワークやブログ、そしてさまざまなオンラインメディアが多くの人にとって主なコミュニケーションの場になっているのです。

もしあなたの会社がこういったコミュニケーションの内容を把握していなくて、競合他社が把握しているならば、あなたの会社は不利な状況にさらされているかもしれません。現在のコミュニケーション環境を自社の競争優位性にするためには、次の3つの指標を把握し、対応できる体制を整えておくことが不可欠なのです。


1.ソーシャルメディアにおける感情分析(Social Sentiment)
ソーシャルメディアにおける感情分析は、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアサイトでの自社に関する発言の論調を「肯定的」「否定的」あるいは「中立」に分類し、それぞれの量や変動を把握することです。
企業の発表や活動に対して多くの人々が否定的な発言と意見交換を行い、「炎上」といわれる状態に陥ってしまうことは珍しくありません。炎上の兆候を早い段階で察知してしかるべきコミュニケーションを取ることで被害を免れることができますが、常日頃から感情分析を行っていなければタイミングを逃してしまいます。
逆に肯定的な感情を把握することで、どのようなメッセージングや活動が肯定的に受け取られているかを知り、そのトレンドをうまく利用してさらに肯定的な感情を醸成するメッセージングや活動を行うこともできるでしょう。
ソーシャルメディアの感情を分析するためには、TwitterやFacebook、ブログや掲示板での発言を自動的に検出・分析し、それぞれの発言の感情を「肯定的」「否定的」または「中立」に自動的に分類しなければなりません。

2.従業員の感情分析(Employee Sentiment)
ソーシャルメディアの感情分析と同じように、従業員の感情表現、特に否定的なものはすぐに察知する必要があります。以前は従業員の不平不満は限られた近しい人たちとだけ共有されるものでしたが、今はソーシャルメディアや2チャンネルのような掲示板などで広く共有されるのが当たり前になっています。自社のブランドを守るため、あるいはスキャンダルを回避するためにこういった従業員感情をリアルタイムに把握する必要があります。
また、インターネットで広く開示されている意見だけでなく、従業員アンケートや離職者に対するヒアリング結果なども他の情報とあわせて統合的に管理・確認することが重要です。

3.声のシェア(Share of Voice = SOV)
声のシェアとは、競合他社と自社に関する広告やその他のメディア露出の全量に対する自社が占有しているシェアのことです。声のシェアが売上とマーケットシェア(市場占有率)と高い関連性があることはさまざまな調査結果で示されています。広告やその他のメディア露出だけでなく、ウェブサイトのアクセス数やTwitterでのフォロワー数のようなデータも考慮に入れる必要があります。

集めた情報を効果的に活用するために
これらの指標を把握するためには、さまざまな感情分析や声のシェアの情報を集めるためのツールが必要になりますが、それだけでは不十分です。集めた情報をリアルタイムで参照するためのシステムも必要なのです。そのシステムの主要な要件には、次のようなものがあげられます:

  • PCのブラウザーやスマートフォン、タブレットなどさまざまなデバイスから参照できること。
  • 重要なトレンドの変化などについて自動的にアラートを発信すること。
  • 発生した事象に即座に対応するためのコミュニケーションやコラボレーションを支援するための機能が備わっていること。

この記事でご紹介した考え方やソリューションについてより詳しく知りたい方は、Domoが提供する資料 Three Key Measures You’re Probably Not Tracking (英文)をご覧ください。

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